入社2年目にして新部署の立ち上げを経験し、業界では珍しいIT推進課のマネージャーとして活躍する。RPA(Robotic Process Automation:ソフトウェアロボットを使用した業務自動化のこと)プロジェクトのメンバーとして、会社を仕組みから支える彼女のストーリーに迫る。
・現在の仕事内容を教えてください。
私はIT推進課で納車の準備手配や予定組、部品の管理、電装部品の発注、在庫の管理をしています。1年目は営業として顧客販売をしていたのですが、2年目に指名を受けてIT推進課へ立ち上げから関わりました。それから8年は業務改善の部署におります。自分の適性に合っていたと思いますね。
IT推進課はもともと営業管理部という名称で、営業スタッフが販売した車の作業手配をしていました。販売台数が増えたため、今までは売った(⇒販売した)人が最後までしていた業務を、別部署として管理することになったんです。
・部署以外にも様々なプロジェクトを兼任しているそうですね。
新入社員を対象としたフレッシャーズ研修の企画運営をしています。1年目のフレッシャーズ研修は毎月、半日かけて行います。2〜3年目の社員は2ヶ月に1回、同期で朝1時間の勉強会を開いています。目標設定を習慣づけたり、普段の業務ではできないアウトプットや意見交換ができる場を作っているんです。
・RPAプロジェクトについて教えてください。
RPAプロジェクトを推進しているのは、部署の垣根を越えたチームです。IT推進課の奥村がリーダーとなり、経理財務課やサービスフロントなど様々な部署からメンバーが集まっているんですよ。「MICHIRU」というツールやスプレッドシートの関数、稟議のルール整理など、さまざまな手段を用いて業務効率化を図っています。
チームでは毎月1回、2時間ほど推進会議を行います。 各自が進めていることの報告や、各部署の連携の擦り合わせ、互いのアイデアや成功事例の共有などをしていますね。
RPAも2~3年目になり、いろいろな部署で業務自動化が達成されました。以前はプロジェクトチームの中から意見を吸い上げていたのですが、チーム外の一般社員からも声が上がってくるようになりましたね。現場から上がった意見に対してプロジェクトメンバーが自動化に取り組む、いい流れができています。
今はまず細かいところを詰めていく段階です。書類管理課という部署で登録書類の作成や税金書類の処理をしているのですが、まだまだアナログな部分が多いんですよ。そこで書類のベースをデータから吸い上げて自動で作れるようなシステム作りから、まずは取り組みたいです。
・仕事をするうえで大切にしていることは何ですか?
私が一番大事にしていることは、 チームメンバーが各自の能力を最大限に発揮できる環境を作ることです。私は個人プレーが得意で、一人で突き詰めてやれてしまうんですね。でもそれでは周りが置いてけぼりになって、反発が生まれてしまう。結果として全体を見ると効率が下がっていて、良くないなと感じたことがあったんです。
マネージャーという立場で、部下たちそれぞれが持っている考え方やスキル、思いやり、リーダーシップなどのマネジメント力を発揮できるような環境を作りたい。
精神的、物理的な面はもちろん、働き方や待遇まで、環境のすべてです。そのために他部署との交渉や連携も含めて取り組んでいます。
・そう考えるようになったのはなぜでしょうか?
私はもともと自分がすごく仕事ができるとは思っていません。自分がどれだけ能力を高めたとしても、そこには限界がある。それを超えた成果を出すためには、他の人とコミュニケーションをとって一緒に取り組むことが必要なんです。
2年目にIT推進課を立ち上げたときは私一人でした。4年目に業務部とドッキングした際に部下が初めてできて、自分一人でやっていたんじゃダメだなと感じたんです。そこで考え方がちょっと変わりましたね。
・仕事での失敗体験を教えてください。
1年下と2年下に合わせて2人の後輩がついたとき、一番下の後輩が1年足らずでやめてしまったんです。 業務が膨大でストレスに感じていたようですね。
1年下の後輩は「自分が不甲斐ないばかりに」と自分を責めてしまっていました。後輩自身は個人の能力が高く、あまり人に依頼することが得意なタイプではなかったんですよ。私も新人のケアをするべきだったのにできていなかったなと、それは失敗体験です。
今では後輩に任せきりにするのではなく、チーム全体でフォローしていくという意識を持っています。マネジメントのマネジメントをすることが今も課題ですね。
・仕事での成功体験はどんなことですか?
メンバーや他部署と力を合わせて、社内の仕組みを変えたことです。
毎年、年度末の4月5月は自動車税に関するお問い合わせが非常に多くなるんです。4月1日時点の所有者が税金を払うのですが、3月〜5月に買い換えたお客様とは「1ヶ月しか乗っていないのに税金を支払うのはおかしいよね」というやり取りが必ずあります。そこで購入のタイミングによっては、自動車税の全額や数割を弊社が支払うことがあるんです。
今までは1台ごとに営業担当者が「こういう理由で支払う」と稟議を上げていました。それが毎年50台ほどあって、上長や営業部長とのやりとりが煩雑だったんです。経理担当者も業務負担が多く、心を砕いていました。それを変えたいと去年、私から営業部長と担当者へ話をして、申請のルートを変えたんです。こういう場合はこうしよう、この時期になったらこうしよう、というマニュアルを作ったんですね。
担当部署の人が「じゃあ私はこう動いたらいいですね」と自分から動いてくれたり、最終的に経理担当者とも話をして「こういう流れでやっていきましょう」と、チームとして動くことができました。これは昔の私だったらできなかったことですね。一人ではやり遂げられなかった。チームのメンバーや他部署と連携したからこそ、社内の一つの仕組みを変えることができたんです。
・仕事における目標を教えてください。
私が現場に入っている業務を年内には後輩に任せて、私は研修関係などに力と時間を注いでゆきたいです。新入社員が今年20名入社して、来年度も25名を予定しています。その一人ひとりにフィットした研修を企画運営したいのです。個人面談もしたいし、外国人であれば言語の対応もしていきたい。後輩に管理業務を任せていくことで、後輩自身のやれることも増やしていきたいです。
・グローバンネットはどんな会社ですか?
積極的に行動すれば、何にでも挑戦できる会社です。成長できる会社ですね。社員は心根が優しい人ばかりです。いろいろなタイプの人がいるのですが、それぞれが「人としてこうありたい」という部分は一致しているんです。これは会長の玉置が作ってきた文化ですから、大切にしてゆきたいですね。
IT推進課のマネージャーとして、会社という組織をシステムの根幹から支える。「大切なのは環境作り」と力強く語る彼女が目指すのは、人と人の心をつなぐITだった。